筒井康孝[パプリカ]、過去の人気作家のそこそこの長編に若干に期待をもちつつ、読み倒すこと数日間。
精神医療分野での分裂症・鬱病の解明に夢からの治療によって完治を試みるといった現代小説でしたが、非現実の夢の描写が意味不明で、どうも疑問符がチラついて集中できず。ジャン・コクトーやビクトル・ユゴーが出てきた行は興味をそそられるものがあったぐらいぐらいですね。最後の協会副理事長の夢が現実で怪獣となって襲いかかり、正義の不動明王が立ち向かう、あたかも円谷プロダクションを彷彿させる、現代小説に有るまじき暴挙に出た、なんとも名折れな小説でした。