直木賞作家などの表紙に大きく書かれると若干の抵抗はあるものの[永遠の仔]には甚く感動を覚え[悼む人]を買い込みました。人物像や背景の描き方が丁寧で見事な構成力と相まって情景がそのまま脳裏に描くことができる理解しやすい内容で、泣き泣きの記憶に残る優しい小説でした。その前に[事実の核心]が何となく相当な右寄りの大御所作家、柳田邦夫とイメージしてましたが全く異なり社説を取り纏めた様な社会派ノンフィクションの短編集で読み易くはあるものの、20年も前の本なので妙な違和感を持って読みました。そぉいえば[犠牲(サクリファイス)――わが息子・脳死の11日]を以前読む機会があり、大江健三郎とかガルシア・マルケスと覚えておくとインテリジェンスな人を紹介してましたね。