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深紅

一家4人惨殺の加害者家族と唯一残った被害者遺族との関係の心理描写を中心に描いた小説。
筋立てとしては至ってシンプル、ただ内容はエグイ。
主人公、小学6年生の修学旅行中に突然肉親の不幸のために呼び戻される・・・・いつもどおりの斬新な切口から始り、その不幸たる両親兄弟のへの殺害方法は気持ち悪いほど残虐で、凶器である金槌を幾度となく顔面へ執拗に打ち付ける残忍な犯行描写に流石に引き気味。またその際の加害者側の心理状態を刻々と綴っており、これまた理解不能。
一人残された主人公が生きる価値を見出せないまま、死刑判決を受けた加害者の心根を探るうちに一人娘の存在を見つけ、本来出会うべきでない被害者遺族と加害者家族との奇妙な関係に復讐・同調と揺れる心情を描いた作品。
ちょうどテレビで”なぜ人を殺してはいけないか”とあって、これと変に交錯して訳わからんようになりました。